03酢酸菌(福山黒酢)の機能性分子の解明とワクチンへの応用

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酢酸菌(福山黒酢)の機能性分子の解明とワクチンへの応用

 黒酢は、鹿児島県福山町特産の醸造酢であり、経験的にコレステロールや中性脂肪の減少など生習慣病の改善、アトピーなどのアレルギー疾患の改善など健康の維持に有効であるとされている。また細胞やマウスモデルで抗腫瘍などの免疫機能の調節や、肥満、糖尿病、認知障害などの改善効果が報告されている。福山黒酢は、玄米を用いてかめ壺内で長期間の静置発酵する方法で製造されることを特徴としている。この際、玄米は麹菌による糖化、酵母によるアルコール発酵、乳酸菌による乳酸発酵、酢酸菌による酢酸発酵などにより数ヶ月かけて並行複発酵され酢となる。さらに1〜2年の熟成期間のうちに、発酵に寄与した微生物の大半が死滅するため、福山黒酢には発酵細菌由来の菌体成分が分散し溶け込む可能性が考えられた。

 近年我々は、福山黒酢が自然免疫レセプターを介して免疫細胞を活性化できる成分を含むことを明らかにした(1)。また、これらのうち疎水性成分はリポ多糖とリポタンパク質と考えられ、福山黒酢が自然免疫系を活性化する微生物成分を含むことを示した。福山黒酢の発酵細菌の一つである酢酸菌 Acetobacter pasteurianus は、リポ多糖を持つグラム陰性菌であり、福山黒酢中のリポ多糖の生産に関与していると考えられる。

 最近我々は、酢酸菌のリポ多糖について解析し、自然免疫を弱く活性化する弱毒型であること、活性中心であるリピドAの化学構造が弱毒型かつ酸性に強い新規な構造を持つことも明らかにした(2)。

 近年、リポ多糖がヒトの免疫系を調節して健康の維持に関与している可能性が示唆されている。またワクチンのアジュバントとしても応用されており、機能性の分子として期待されている。本研究では、福山黒酢の成分として食経験が豊富で安全性の高い酢酸菌由来のリポ多糖について着目し、その機能性の解明とワクチンなどの免疫調節剤としての応用を目指す。

1) J. Biosci. Bioeng., 116, 688-696(2013) [PMID: 22890547]
2) J. Biol. Chem., 291, 21184-21194(2016) [PMID: 27539854]

   

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